2眼のポケットジンバルカメラがついに2台そろった。DJIの「Osmo Pocket 4P」と、Insta360の「Luna Ultra」である。
「Osmo Pocket 4 Pro」で検索している人も多いと思うが、DJIの正式な製品名は「Osmo Pocket 4P」だ。どちらも1インチセンサーの広角カメラと60mm相当の望遠カメラを積んだ2眼構成。ジャンルも価格帯もほぼ同じ。だからこそ迷う。
しかも、中身はかなり違う。Osmo Pocket 4Pは4K/240fpsのスローモーションと17ストップのダイナミックレンジが売りだ。対するLuna Ultraは、8K撮影とライカ(Leica)のレンズ、最大15倍ズームで勝負してくる。価格差は、標準セットで20,800円。
そこで本記事では、DJIとInsta360の公式サイトの情報をもとに、2台を徹底的に比較する。画質、ズーム、使い勝手、バッテリー、価格まで、すべてだ。読み終わるころには、自分に合う1台がはっきりしているはずである。
Osmo Pocket 4PとLuna Ultraの違いを早見表でチェック
まずは全体像からいこう。細かい話は、そのあとで十分だ。
価格と発売日:差額は20,800円
価格は以下のとおり(各社公式ストア・2026年10月時点)。
| モデル | 標準セットの価格 | 発売日 |
|---|---|---|
| DJI Osmo Pocket 4P | 99,000円(スタンダード コンボ) | 2026年6月29日(日本) |
| Insta360 Luna Ultra | 119,800円(通常版) | 2026年6月10日 |
Luna Ultraの発売日は、Insta360公式のオンラインマニュアルに記載された日付である。Osmo Pocket 4Pは、DJI JAPANが発表した日本での発売日だ。
つまり、どちらも2026年の夏に出たばかりの最新モデルというわけだ。価格はOsmo Pocket 4Pのほうが約2万円安い。この差をどう見るかが、選ぶときのポイントになる。


主要スペックを比較表で一気見
続いて、主要スペックの比較である。違いが出たところを中心にまとめた。
| 項目 | Osmo Pocket 4P | Luna Ultra |
|---|---|---|
| 広角カメラ | 1インチ、20mm相当、f/2.0 | 1インチ、20mm相当、F1.8 |
| 望遠カメラ | 1/1.28インチ、60mm相当、f/1.8 | 1/1.3インチ、60mm相当、F2.0 |
| 最大動画解像度 | 4K | 8K/30fps |
| スローモーション | 4K/240fps、1080p/240fps | 4K/120fps、1080p/240fps |
| ズーム(動画) | 最大12倍 | 最大15倍(6倍ロスレス) |
| Log撮影 | 10-bit D-Log 2 | 10-bit I-Log |
| HDR系の記録 | 公式情報なし | Dolby Vision |
| 最大ビットレート | 180Mbps | 120Mbps |
| 画面 | 2.0インチ(回転して縦撮影に対応) | 2.0インチOLED(着脱式) |
| マイク | 3基 | 4基(本体3、画面1) |
| 内蔵ストレージ | 103GB | 47GB |
| microSD | 最大1TB | 最大2TB |
| 駆動時間 | 210分 | 240分 |
| 充電時間(80%) | 18分 | 23分 |
| 重量 | 230g | 233g(コズミックブラック) |
| カラー | クラシック ブラック、パールホワイト | コズミックブラック、ステラホワイト |
数字だけ見ても、得意分野がきれいに分かれている。


ひとことで言うと「動きのDJI」「解像度のInsta360」
表から見えてくる違いは、シンプルだ。
Osmo Pocket 4Pは、動きと光に強いカメラである。4K/240fpsのスローモーション、17ストップのダイナミックレンジ、180Mbpsの高いビットレート。動く被写体や明暗差の大きい場面を、きれいに残すのが得意だ。
Luna Ultraは、解像度と寄りに強いカメラである。8K撮影、最大15倍ズーム、200MPのパノラマ写真。遠くの被写体を大きく撮りたい人、あとからトリミングしたい人に刺さる。
では、それぞれ細かく見ていこう。
画質とカメラ性能を比較
ジンバルカメラで一番大事なのは、やはり画質だ。ここが一番の見どころである。
センサーとレンズ:どちらも1インチ+60mmの2眼
2台とも、広角は1インチセンサーで20mm相当。望遠は60mm相当。構成はほぼ同じだ。違うのは、レンズの明るさの配分である。
Osmo Pocket 4Pは、望遠側がf/1.8と明るい。DJIによると、フルサイズカメラでおよそf/6.3相当のボケが出るという。ポートレートで背景をふんわりぼかしたい人には、うれしいポイントだ。
一方のLuna Ultraは、広角側がF1.8と明るい。しかもレンズは、ライカの「Summicron(ズミクロン)」の名を冠する。ライカの色づくりにひかれる人なら、これだけで選ぶ理由になるだろう。




8K撮影か、4K/240fpsか
動画の性能は、はっきりと方向性が分かれた。
Luna Ultraは、8K/30fpsの動画撮影に対応している。8Kで撮っておけば、あとから4Kに切り出しても画質が落ちにくい。縦動画用に切り出す使い方とも相性がいい。
Osmo Pocket 4Pは、動画の最大解像度が4Kだ。そのかわり、4K/240fpsのスローモーションに対応する。Luna Ultraのスローモーションは4Kで最大120fpsなので、ここはDJIの圧勝である。走る子ども、飛び立つ鳥、跳ね上がる水しぶき。そういう一瞬を、なめらかなスローで残せる。
ビットレートも違う。Osmo Pocket 4Pは最大180Mbps、Luna Ultraは最大120Mbps(日本公式ストアの仕様表)。動きの激しい場面の映像の粘りは、Osmo Pocket 4Pに分があると言っていい。


ダイナミックレンジとLog:D-Log 2とI-Log、Dolby Vision
明るい空と暗い日陰が同時に映る場面。ここで差が出るのが、ダイナミックレンジだ。
Osmo Pocket 4Pは、LOFIC技術を使った新しい1インチセンサーを搭載。D-Log 2では最大17ストップのダイナミックレンジを実現する。DJIいわく、発売時点のDJI一般向けカメラの中で最高の性能だという。ただし、10-bit D-Log 2が使えるのは1倍ズームのときだけ。ここは覚えておきたい。
Luna Ultraは、10-bit I-LogとDolby Visionに対応している。Dolby Visionは8K/30fpsと4K/120fpsで撮れる。編集なしで、対応するスマホやテレビで鮮やかなHDR映像を楽しめるのが強みだ。
なお、Luna Ultraのダイナミックレンジの数値は、公式情報なし。単純な数字の比較はできない。カラーグレーディングまでやり込むならOsmo Pocket 4P、撮って出しの映えを重視するならLuna Ultra。そう考えると分かりやすい。


ズーム:最大12倍と最大15倍
ズームはLuna Ultraが一歩リードする。
| 項目 | Osmo Pocket 4P | Luna Ultra |
|---|---|---|
| 動画のズーム | 最大12倍 | 最大15倍 |
| 写真のズーム | 最大9倍 | 最大15倍 |
| 画質を保てるズーム | 光学3倍(60mmレンズ) | 6倍ロスレス(120mm相当) |
Luna Ultraは、最大15倍(300mm相当)のズームと、6倍(120mm相当)のロスレスズームに対応する。運動会や発表会のステージなど、近づけない被写体を撮るなら頼もしい。
Osmo Pocket 4Pも、従来の「Osmo Pocket 4」の動画ズーム4倍から、12倍まで大きく伸びた。ふだん使いなら十分な倍率である。それでも、遠くを撮る機会が多いなら、Luna Ultraを選んだほうが満足度は高いはずだ。


使い勝手を比較
画質がよくても、持ち出さなければ意味がない。次は、毎日使ううえで効いてくるポイントである。
サイズと重さ:ほぼ互角


重さは、Osmo Pocket 4Pが230g、Luna Ultraが233g(コズミックブラック)。差はたったの3gだ。
| 項目 | Osmo Pocket 4P | Luna Ultra |
|---|---|---|
| サイズ | 159.5×63.3×33.5mm | 52.4×169.9×38.5mm |
| 重量 | 230g | 233g(ステラホワイトは235g) |
長さはLuna Ultraのほうが約1cm長い。とはいえ、どちらも上着のポケットに入るサイズ感である。重さで選ぶ必要はない。気にするべきは、ほかの部分だ。
画面と操作:回転式か、着脱式か
ここは、2台の個性がもっともよく出るところだ。
Osmo Pocket 4Pの画面は2.0インチ。画面を回転させるだけで、横撮影と縦撮影を切り替えられる。ショート動画をよく撮る人には、この手軽さがありがたい。手を振るなどのジェスチャー操作にも対応している。
Luna Ultraの画面は2.0インチのOLED(有機EL)。最大の特徴は、画面を本体から外してリモコンとして使えることだ。三脚に立てたカメラを、離れた場所から操作できる。外した画面にもマイクが1基あり、マイクは合計4基だ。
追尾機能は、Osmo Pocket 4Pが「ActiveTrack 8.0」、Luna Ultraが「AIトラッキング」を搭載している。どちらも、被写体を自動で追いかけてくれる。




バッテリーと充電:持ちはLuna Ultra、充電はOsmo Pocket 4P
バッテリーは、2台で一長一短である。
| 項目 | Osmo Pocket 4P | Luna Ultra |
|---|---|---|
| 容量 | 1545mAh | 1550mAh(本体)+210mAh(画面) |
| 駆動時間 | 210分 | 240分 |
| 充電時間 | 18分で80%、32分で100% | 23分で80% |
駆動時間はどちらも、1080p/24fps・画面とWi-Fiをオフにした状態での参考値だ。Osmo Pocket 4Pの充電時間は、別売りの65W充電器を使ったときの値である。
長く回したいならLuna Ultra、すぐに充電して出かけたいならOsmo Pocket 4P。旅行で1日中撮り歩くなら、どちらもバッテリーハンドル付きのセットを選ぶと安心だ。
ストレージ:内蔵103GBのOsmo Pocket 4Pが便利
意外と差が大きいのが、内蔵ストレージだ。
Osmo Pocket 4Pは、103GBもの内蔵ストレージを持つ。microSDカードを忘れても、そのまま撮影できる。Luna Ultraの内蔵ストレージは47GBで、Osmo Pocket 4Pの半分以下である。
そのかわり、microSDカードはLuna Ultraが最大2TBまで対応する(Osmo Pocket 4Pは最大1TB)。8Kで撮るならデータは重くなるので、大容量カードとセットで考えたい。
価格とセット内容を比較
最後に、お金の話である。ここで最終判断をする人も多いはずだ。
Osmo Pocket 4Pのコンボ:99,000円から
Osmo Pocket 4Pは、DJI公式ストアで以下のセットが販売されている(2026年10月時点)。
| セット | 価格 |
|---|---|
| スタンダード コンボ | 99,000円 |
| フィルターコンボ | 107,800円 |
| 140W GaN 充電コンボ | 108,900円 |
| Vlogコンボ | 113,300円 |
| トラベルコンボ | 117,370円 |
| Vlogコンボ Plus | 122,870円 |
スタンダード コンボでも、補助ライト、1/4インチねじ穴付きハンドル、キャリーポーチが付く。最初から撮影の準備は万端だ。
Vlogコンボには、ワイヤレスマイクの「DJI Mic Mini 2 トランスミッター」、リモコンの「Osmo FrameTap」、ミニ三脚などが追加される。Vlogを本気でやるなら、こちらが狙い目である。
Luna Ultraのキット:119,800円から
Luna Ultraは、Insta360公式ストアで以下のキットが販売されている(2026年10月時点の販売価格)。
| キット | 価格 |
|---|---|
| 通常版 | 119,800円 |
| フィルライトキット | 125,200円 |
| POVキット(バックパックマウント) | 129,500円 |
| エッセンシャルキット | 130,000円 |
| エンデュランスキット | 130,000円 |
| POVキット | 130,400円 |
| Vlogキット | 132,900円 |
| 望遠撮影キット | 138,800円 |
| クリエイターキット | 151,800円 |
一部のキットは、定価から割引された価格で販売されている。たとえばクリエイターキットは、定価159,800円から8,000円引きの151,800円だ。
通常版の同梱物は、保護カバー、ウインドガード、1/4インチねじ付きハンドル、リストストラップ。Osmo Pocket 4Pのような補助ライトやポーチは付かない。同じ装備にそろえると、実際の価格差は2万円以上に広がると考えたほうがいい。


予算を抑えるなら「Osmo Pocket 4」「Luna Pro」も候補
「2眼はほしいけど、10万円はちょっと……」。そんな人には、各社の下位モデルという選択肢もある。
| モデル | 価格(2026年10月時点) | 特徴 |
|---|---|---|
| DJI Osmo Pocket 4 | 79,200円(スタンダード コンボ) | 1インチの1眼。4K/240fps、14ストップ、10-bit D-Log |
| Insta360 Luna Pro | 83,200円(通常版) | 約215gと軽量。2026年9月10日発売 |
Osmo Pocket 4Pと比べると、Osmo Pocket 4は60mmの中望遠レンズがなく、動画ズームも最大4倍にとどまる。Luna ProはLuna Ultraより軽いが、公式マニュアルの仕様表では写真のズームが最大4倍にとどまる。200MPのパノラマ写真も、Luna Ultraだけの機能だ。
ズームとポートレートを楽しみたいなら、やはり上位モデルがおすすめである。
Osmo Pocket 4PとLuna Ultra、どっちを買うべき?
ここまでの比較をふまえて、タイプ別のおすすめを整理しよう。
Osmo Pocket 4Pがおすすめな人
こんな人には、Osmo Pocket 4Pがぴったりだ。
- 子どもやペットなど、動く被写体をスローで撮りたい人(4K/240fps)
- 逆光や夜景など、明暗差の大きい場面をよく撮る人(17ストップ)
- カラーグレーディングで自分の色を作りたい人(10-bit D-Log 2)
- 縦動画をサッと撮りたい人(回転式の画面)
- 少しでも安く、付属品の多いセットがほしい人
価格と動画性能のバランスを取るなら、Osmo Pocket 4Pが最有力である。迷ったらこちら、と言い切っていい。


Luna Ultraがおすすめな人
一方で、次のような人にはLuna Ultraが向いている。
- 運動会や発表会など、遠くの被写体を撮る機会が多い人(最大15倍ズーム)
- 8Kで撮って、あとから自由に切り出したい人
- 編集なしで、鮮やかなHDR映像を楽しみたい人(Dolby Vision)
- ライカの色やレンズにこだわりたい人
- 画面を外してリモコンとして使いたい人
2万円の差は、8Kとズームとライカの代金。そう割り切れるなら、Luna Ultraは間違いなく満足できる1台だ。


両方に共通する注意点
どちらを選ぶにしても、注意したい点がある。
Luna Ultraは、防水・防塵・防滴に対応していない。Osmo Pocket 4Pの防水性能は、公式情報なし。どちらも、雨の日や水辺での撮影には気をつけたい。動作温度は、どちらも0〜40℃である。
また、2台とも人気モデルだ。セールや在庫の状況で、実際の販売価格は変わる。購入前に、各ショップの価格を一度チェックしておこう。


まとめ:動画重視ならOsmo Pocket 4P、ズームと8KならLuna Ultra


最後に、本記事のポイントをまとめる。
- 価格はOsmo Pocket 4Pが99,000円、Luna Ultraが119,800円(2026年10月時点)
- Osmo Pocket 4Pの強み:4K/240fpsスロー、17ストップ、180Mbps、内蔵103GB、充電が速い
- Luna Ultraの強み:8K/30fps、最大15倍ズーム、Dolby Vision、ライカのレンズ、着脱式画面、駆動時間240分
- 重さはほぼ同じ(230gと233g)
どちらも、ポケットに入るサイズで本格的な映像が撮れる、2026年を代表するジンバルカメラである。正直、どちらを選んでも後悔は少ない。
それでも1台に絞るなら、こうだ。日常のVlogや旅の記録を気軽に、でもシネマティックに撮りたいならOsmo Pocket 4P。遠くの一瞬を高精細に残したいならLuna Ultra。自分が一番よく撮るシーンを思い浮かべて、選んでほしい。




