進化したワイヤレスマイクDJI Mic2使用レビュー

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今回ワイヤレスマイクを「DJI Mic」から「DJI Mic2」に更新。使い勝手や音質、使用感が先代機から大幅進化。先代機の時点でワイヤレスマイクの頂点に君臨していたが、今回の進化でその地位をさらに盤石なものとした。本記事ではDJI Mic2の機能と使用方法、実際に使った結果をレビューする。

目次

1. DJI Mic2基本スペック

DJI Mic2は、プロフェッショナルな録音品質を求めるクリエイターにとって革新的なワイヤレスマイクだ。コンパクトで取り出しやすくDJI製品以外のカメラとも互換性が高い。このマイクはブロガー、ポッドキャスター、ジャーナリスト、教育者など、多岐にわたるユーザーに適している。

1-1. DJI Mic2のスペックと特徴

DJI Mic2は、その小さなボディに多くの機能を備えている。最大250mの伝送距離を誇り、障害物がある環境でも安定した接続を維持する。また、デュアルチャンネル録音をサポートし、2つのマイクで同時録音が可能。音声は各々のマイクをLRに別録音も可能だし、2つを合成してモノラル録音もできる。

主なスペックは下記の通り。実はDJI Micより一回り大きく重くなっている。私はヘルメット中に仕込んでいたのだが大きくなったので頬に当たるようになったのが残念なポイント。

  • ノイズキャンセリング
  • 32bitフロート録音
  • 内部録音時間 14時間(8GB)
  • 連続稼働時間 6時間
  • マイク極性 全方向
  • 最大音圧 120dB
  • 外部出力  TRS,USB-C,Lightning,Bluetooth
  • トランスミッター寸法 46.06×30.96×21.83 mm 28g
  • レシーバー寸法 54.20×28.36×22.49 mm 28g

1-2. パッケージ内容とアクセサリー

DJI Mic2はトランスミッター(TX)、レシーバー(RX)の単品購入の他に充電ケースも同梱されたコンボも販売されている。コンボなら充電ケース、オーディオケーブル、マグネット、キャリーバッグが付属している。充電ケースはバッテリを内蔵しており、マイク本体を収納すれば充電が開始され最大15時間分の充電が可能。

2. 設定と使い方

2-1. 初期設定とペアリング方法

DJI Mic2を初めて使用する際には、言語と時間を設定する必要がある。

充電ケースから取り出すと自動的に電源がオンになるが、起動しない場合はトランスミッターとレシーバーの電源ボタンを長押ししてDJI Mic2を起動。

次に、レシーバーのタッチスクリーンを使用して、言語設定と時間を調整。トランスミッターとレシーバーは出荷時にリンクされている。再リンクが必要な場合は、リンクボタンを長押しして操作を行う。

まずトランスミッターのリンクボタンを長押ししてリンクモードにする。次にレシーバー画面を下にスワイプしてレシーバー設定をタッチ。右端にあるデバイスをリンクを押すとリンクが開始する。

トランスミッターは録音ボタンを3秒長押しするとBluetoothモードに切り替わり、スマホなどのBluetooth機器と接続できる。トランスミッターにはインジケータLEDが2つ搭載されており、赤が録音状態、緑がレシーバーとのリンク状態を示す。Bluetoothモードのときは緑ではなく青点灯となる。

もしリンクが出来ない場合はトランスミッターのインジケーターが青くなっていないか確認して欲しい。レシーバーは緑状態でなければリンクしない。青ならBluetoothモードなので録音ボタンを3秒長押しして切り替えよう。

なお充電ケースがあれば収納するだけでリンク完了。

2-2. DJI Mic2の操作方法

トランスミッターの録音ボタンを押すことで、スタンドアロン録音を開始・停止。また、レシーバーにはOLEDタッチスクリーンが搭載されており、リアルタイムの音量レベルや無線信号強度、ゲイン、録音モードなどを確認できます。レシーバーのダイヤルを回して押すことで、トランスミッターやレシーバーのゲインを調整することができる。

32bit録音はトランスミッターのスタンドアロン録音にのみ有効でレシーバーで受信した音声は残念ながら非対応だ。音割れしていたらトランスミッター側からバックアップ音声を取り出して使うしかない。

DJI製品は直感的に操作が出来るので説明書を読み込まなくても簡単な設定が出来てしまうのがメリット。

3. 実際の使用感

3-1. 音質と録音性能の評価

DJI Mic2は、クリアで自然な音質。無指向性マイクの採用により、どの方向からの音も均等に拾うことができ、インタビューや屋外での録音においても一貫した品質を保つ。一番のポイントは32ビットフロート録音。幅広いダイナミックレンジをカバーすることができ、ささやき声から大声まであらゆる音量の音声を正確に捉える。失敗のない録音が可能となった。

繰り返すが32bit録音はトランスミッターのスタンドアロン録音にのみ有効。トランスミッター内部にしかデータは保存されない。そのため32bitが必要なら後で音声同期が必要になる。

録音対象が人の声なら問題ないが、私はバイクの排気音を収録しているので最大音圧レベルが足りないので外付けマイクを接続している。

個人的にワイヤレスマイクにはTRSが必須だ。安価な製品は外部マイクが接続できないのが最大の弱点。

3-2. ノイズキャンセリング機能の効果

DJI Mic2のノイズキャンセリング機能は、周囲の雑音を効果的に低減する。特に、風の音や街の騒音など、屋外での撮影においてその効果を発揮する。ボタン一つでこの機能を簡単にオン・オフでき、状況に応じて最適な録音環境を作り出す。

ノイズキャンセリングをオンにしたトランスミッターは接続状態インジケーターが黄色み掛かった色になるので視覚的に判断できる。

私の使い方はヘルメット内をノイズキャンセリングON、マフラーをOFFで録音している。これで声は風切り音がカットされた音、マフラーは生音が収録できる。

3-3. バッテリー持ち

スペック上は単体で6時間、充電ケースを使用すれば最大18時間の連続使用が可能。実際の所はノイズキャンセリングONで4時間30分といった所。バッテリー容量はTX、RXともDJI Micが320mA、DJI Mic2は360mAと大きくなっている。

ノイズキャンセリングOFFならもっと持つだろう。

収納ケース本体の充電は実測値で5V1.5A7.5Wでの充電。

4. 競合比較

まともなワイヤレスマイクは意外と値段が張る。必要な機能を見極めつつお財布と相談しながら検討するがよろし。

~2万円

Ulanzi U-Mic

Ulanzi製のワイヤレスマイク。安価でそこそこ使える製品開発が得意なメーカー。値段の割に音質良好。

Hollyland-Lark M1

2013年中国の深圳にて起業した映像製品メーカー。値段の割に音質は良い。

~4万円

DJI Mic

ノイズキャンセリングとBluethooth、32bit録音が不要ならコレで十分。

Hollyland Lark Max

品質は高い。が、DJI Micが値下げされた今、こちらを選ぶメリットはあまりない。

~7万円

DJI Mic2

現時点のおすすめ製品。全部入りの多機能マイク。

RODE Wireless PRO

DJI Mic2のライバル。マイクの老舗RODE製。スマホとのBluetooth接続は出来ない。中華アレルギーの人にお勧め。

5. まとめ

DJI Mic2は、性能と使い勝手が高次元でバランスしている。この製品のポイントは、ノイズキャンセリング、32bitフロート、Bluetooth機能にある。特にBluetoothはレシーバー無しでスマホ、Pocket3、Osmo Action4と接続できるため他マイクにはないストロングポイントである。DJIがいかにユーザー目線で物作りをしているかが見えてくる。使いやすいインターフェース、豊富なアクセサリー、初心者からプロフェッショナルまで幅広いニーズに応える開発者の創意工夫。これらの特徴はDJI Mic2を市場で際立たせ、多くのユーザーに選ばれる理由である。間違いなくおすすめ出来るマイクだ。

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