先の記事で炊飯器の比較をした。最高級品は16万円もする。とても高価だ。炊飯器の謳い文句はどの機種も決まって「土鍋で炊いたご飯」。だったら土鍋を買えばいいのでは?
ということで、今回は炊飯土鍋と炊飯鉄鍋をリサーチしてみた。
土鍋で炊いたごはんは、やっぱりうまい。一度食べると、もう戻れないのである。
新米の季節がやってきた。せっかくのおいしいお米、いつもの炊飯器ではなく「鍋」で炊いてみたい。そう考える人が増えている。ただ、いざ探してみると、選択肢が多すぎる。土鍋にするか、鉄鍋にするか。羽釜は扱えるのか。IHでも使えるのか。迷うポイントは山ほどある。
そこで本記事では、炊飯用の土鍋を3つ、鉄鍋(羽釜タイプ含む)を3つ、合計6つを比較する。価格・容量・重さ・対応熱源は、すべて各メーカーの公式サイトで確認した情報だ。読み終わるころには、自分の台所にぴったりの1台が見つかるはずである。
| こんな人に | おすすめ |
|---|---|
| とにかく失敗せずおいしく炊きたい | 長谷園 かまどさん |
| 初めての土鍋でコスパ重視 | かもしか道具店 ごはんの鍋 |
| IHの家で鉄釜ごはんを楽しみたい | 及源 南部ごはん釜 |

炊飯土鍋と鉄鍋はどう違う?選ぶ前に知りたい3つのポイント


いきなり製品を見る前に、選び方をおさえておこう。チェックすべきは、たった3つだ。
加熱の仕方:土鍋は「じっくり」、鉄鍋は「一気に」
土鍋と鉄鍋、いちばんの違いは熱の伝わり方である。
| 項目 | 土鍋 | 鉄鍋(鉄釜・羽釜) |
|---|---|---|
| 温まり方 | ゆっくり温まる | 素早く温まる |
| 蓄熱力 | 高い。火を止めても冷めにくい | 高い。厚い鋳鉄が熱をためる |
| 炊き上がりの傾向 | ふっくら、もっちり | 粒立ちがよく、しゃっきり |
| 弱点 | 割れやすい。急冷は厳禁 | 重い。素材によってはサビ対策が必要 |
長谷園の公式サイトによれば、土鍋は金属のように急速に熱くならず、じっくりゆっくり温まる。この「ゆっくり蓄熱」と「長く蓄熱」が、米の旨みや甘みを引き出すのだという。
一方の鉄鍋は、パワフルに温度を上げるのが得意だ。及源の公式サイトでも、沸騰の中でお米を躍らせてムラなく火を入れ、最後は余熱で余分な水分を飛ばす、と説明されている。もっちり派なら土鍋、粒立ち派なら鉄鍋。まずはここで方向性を決めよう。
熱源:IHで使えるかが最大の分かれ道
見落としがちなのが、これだ。今回紹介する土鍋3つは、どれもIHに対応していない。ガスコンロの家なら問題ないが、IHの家だと土鍋は候補から外れてしまう。
逆に、鉄鍋はIH対応のモデルが多い。及源の南部ごはん釜、岩鋳のごはん鍋、ストウブのラ・ココット de GOHANは、いずれも公式にIH対応とされている。IHの家なら、鉄鍋一択と言っていい。
容量と重さ:3合炊きが基準になる
2〜4人暮らしなら、3合炊きがちょうどいい。今回は基本的に3合クラスで比較する(ストウブは定番の2合サイズで紹介する)。
注意したいのが重さだ。土鍋も鉄鍋も、3合クラスになると2〜4kg前後になる。ごはんを入れたまま食卓へ運ぶなら、この重さは無視できない。毎日使うなら、軽さも立派な性能なのである。
炊飯土鍋おすすめ3選
まずは土鍋から。王道の伊賀焼、使いやすさ重視の1台、炊ける様子が見えるガラスぶた。個性の違う3つを選んだ。
長谷園「かまどさん」三合炊き:火加減いらずの王道


土鍋ごはんといえば、まずこれ。三重県伊賀の窯元・長谷園のロングセラー「かまどさん」である。
最大の特徴は、中ふたと上ふたの二重ぶた構造だ。2つのふたの穴を直角の位置に置くことで、圧力釜のような働きをする。おかげで吹きこぼれにくく、火加減の調整もいらない。蓄熱力の高い伊賀の粗土を使い、直火部分は肉厚に仕上げられている。
炊き方はシンプルだ。公式の目安では、三合炊きで3合を炊く場合、中強火にかけて約11分、勢いのある蒸気が出たら火を止める。あとは20分蒸らすだけ。土鍋が勝手においしくしてくれる。そんな感覚である。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(2026年10月時点・公式通販・税込) | 19,800円 |
| 炊ける量 | 1〜3合 |
| サイズ | 直径24×高さ18cm |
| 容量 | 1,500cc |
| 重量 | 4kg |
| 対応熱源 | ガス火・オーブン(IH・電子レンジは不可) |
ただし、気をつけたい点もある。重さは4kgと、今回の土鍋3つの中でいちばん重い。また2026年10月時点、公式通販では三合炊きの発送が「ご注文から2〜3か月後」と案内されている。それだけ人気ということだ。早めに手に入れたいなら、販売店の在庫もあわせてチェックしたい。
かもしか道具店「ごはんの鍋」3合:軽くて扱いやすい


三重県菰野町の陶器メーカー、山口陶器のブランド「かもしか道具店」。その看板商品が「ごはんの鍋」だ。ころんとしたシンプルな形で、台所に出しっぱなしでも絵になる。
ふたには、あえて蒸気穴がない。蒸気が鍋の中で循環する作りなのである。その代わりに、ふたを受ける部分の立ち上がりを高くして、吹きこぼれを防いでいる。炊飯は10〜15分、蒸らしは約20分。炊き方のレシピも付いてくるから、初めてでも安心だ。
うれしいのは、保温と調湿の機能があり、おひつ代わりに使えること。しかも電子レンジにも対応している。余ったごはんは、鍋ごとレンジで温め直せばいい。これは便利。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(2026年10月時点・公式通販・税込) | 10,560円 |
| サイズ | 幅22.5cm(直径19cm)×高さ13cm |
| 容量 | 公式情報なし |
| 重量 | 1,940g |
| 対応熱源 | 直火・電子レンジ(IHは不可) |
3合サイズで2kgを切る軽さは、かまどさんの半分以下。価格も今回の土鍋でいちばん手ごろだ。色は黒・白・茶から選べる。初めての土鍋にちょうどいい1台である。
HARIO「フタがガラスのご飯釜」2〜3合:炊ける様子が見える


耐熱ガラスの老舗、HARIOのご飯釜。本体は耐熱陶器、ふたは透明な耐熱ガラスでできている。
なんといっても楽しいのが、ごはんが炊ける様子をのぞけること。土鍋はふたを開けられないのが不安、という人にはうれしいポイントだ。さらに、つまみにはホイッスルが付いていて、音で炊き上がりを知らせてくれる。鍋はラウンド型で厚みを均一にしてあり、火加減の調整をしなくても炊きムラが出にくい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(2026年10月時点・公式通販・税込) | 12,100円(1〜2合用は9,900円) |
| 炊ける量 | 2〜3合 |
| サイズ | 幅270×奥行230×高さ210mm(口径200mm) |
| 容量 | 公式情報なし |
| 重量 | 2,500g(箱込みは2,800g) |
| 対応熱源 | 直火(IHは不可) |
| 原産国 | 日本 |
音と目で炊き上がりが分かるから、失敗しにくい。土鍋デビューの不安を減らしたい人に向いている。
炊飯鉄鍋(羽釜含む)おすすめ3選
続いて鉄鍋だ。南部鉄器の老舗2社と、フランス生まれの羽釜形ココット。こちらも個性がはっきり分かれた。
及源「南部ごはん釜」3合炊:30分で炊ける本格鉄釜


岩手県奥州市の南部鉄器メーカー、及源(OIGEN)。「南部ごはん釜」は、コロンとした丸い形がかわいい鉄のごはん釜である。
驚くのは、炊飯の速さだ。公式によれば、火にかけてから蒸らしまで30分程度。米粒が立った、つやつやのごはんに仕上がる。しかも直火だけでなく、IH(100V・200V)、電気コンロ、オーブンにも対応する。熱源を選ばない。これは強い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(2026年10月時点・公式通販・税込) | 15,400円 |
| 炊ける量 | 3合(水加減マークは2合・3合) |
| サイズ | 外径208mm、全高(ふた含む)159mm |
| 容量 | 1.6L |
| 重量 | 3.1kg |
| 対応熱源 | 直火・IH(100V/200V)・電気コンロ・オーブン |
表面はカシュー塗料による仕上げだ。使い始めには「油慣らし」が必要で、これは焦げつきとサビの予防にもなる。ひと手間はかかる。だが、それも鉄器を育てる楽しみなのである。
岩鋳「ごはん鍋」3合炊:内面ホーローでサビに強い


盛岡の南部鉄器メーカー、岩鋳のごはん鍋。鉄器の重厚感はそのままに、内側にはホーロー加工がほどこされている。
このホーロー加工が、うれしいポイントだ。鉄器の弱点であるサビを気にしにくい作りなのである。重い鉄のふたが圧力をかけることで、ふっくらと炊き上がる。さらに、パリッとしたおこげも作れる。おこげ好きには、たまらない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(2026年10月時点・公式通販・税込) | 20,900円 |
| 炊ける量 | 3合 |
| サイズ | 28×22×高さ13.5cm(内径18cm、深さ11cm) |
| 容量 | 公式情報なし |
| 重量 | 約3.4kg |
| 対応熱源 | ガス・直火・IHなど |
| 原産国 | 日本 |
南部ごはん釜より5,500円高い。その差額で、手入れのラクさを買う。そう考えると納得の価格である。
ストウブ「ラ・ココット de GOHAN」M:羽釜の形をしたホーロー鍋


フランスの鋳物ホーロー鍋ブランド、ストウブ。「ラ・ココット de GOHAN」は、羽釜の形をしたごはん専用のココットである。
炊飯時の対流を考えた丸みのあるフォルムに、ふた裏の突起「システラ」。この組み合わせで熱をむらなく回し、お米を一気に炊き上げる。内側はストウブ独自の黒マットエマイユ加工で、焦げつきにくい。IH・ガス火・オーブンに対応し、食洗機も使える。ごはん以外の煮込み料理にも大活躍する。1台で何役もこなす。それがストウブの魅力だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(2026年10月時点・公式通販・税込) | 24,200円(ブラック・グレー・カンパーニュ) |
| 炊ける量 | 2合(Mサイズ/16cm) |
| サイズ | 長さ21×幅16×高さ15.5cm |
| 容量 | 1.74L |
| 重量 | 2.08kg |
| 対応熱源 | IH・ガス火・オーブン(電子レンジは不可) |
| 原産国 | フランス |
注意したいのが、IHで使う場合だ。Mサイズは鍋底の直径が10.9cm。公式サイトでも、鍋底が12cm未満だとIHで使えないことがある、と案内されている。自宅のIHが対応しているか、事前に確認しよう。3合以上炊きたいなら、Lサイズ(20cm、3〜5合、30,800円、3.70kg)もある。
番外編:本物の羽釜なら及源「かまどめし」3合炊


「どうしても本物の羽釜で炊きたい」。そんな人には、及源の「かまどめし」3合炊がある。昔ながらの鉄の羽釜を、家庭のガスコンロで使えるサイズにしたものだ。
ふたはアラスカヒノキの分厚い木ぶた。余分な水分を木ぶたが吸うので、水滴がごはんに落ちにくい。炊き方は、ふたをせず中火にかけ、沸騰したら混ぜ、ふたをして弱火で約15分、10分蒸らす。これだけである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(2026年10月時点・公式通販・税込) | 38,500円 |
| 容量 | 2.4L |
| 重量 | 3.6kg |
| 対応熱源 | 直火(IHは不可) |
ただし、これは新米の季節に合わせた季節・数量限定品だ。2026年10月時点、公式オンラインショップでの販売で、限定数は10とされている。見つけたら即決。それくらいの気持ちでいたほうがいい。
6製品を徹底比較!タイプ別のおすすめはこれだ
ここまでの6製品を、ひとつの表にまとめた。
スペック比較表
価格はすべて2026年10月時点の公式通販価格(税込)である。
| 製品 | 種類 | 価格 | 炊ける量 | 重量 | IH |
|---|---|---|---|---|---|
| 長谷園 かまどさん 三合炊き | 土鍋(伊賀焼) | 19,800円 | 1〜3合 | 4kg | × |
| かもしか道具店 ごはんの鍋 3合 | 土鍋(耐熱陶器) | 10,560円 | 3合 | 1,940g | × |
| HARIO フタがガラスのご飯釜 | 土鍋+ガラスぶた | 12,100円 | 2〜3合 | 2,500g | × |
| 及源 南部ごはん釜 3合炊 | 鉄釜(南部鉄器) | 15,400円 | 3合 | 3.1kg | ○ |
| 岩鋳 ごはん鍋 3合炊 | 鉄鍋(内面ホーロー) | 20,900円 | 3合 | 約3.4kg | ○ |
| ストウブ ラ・ココット de GOHAN M | 鋳物ホーロー(羽釜形) | 24,200円 | 2合 | 2.08kg | △(鍋底サイズに注意) |
こうして並べると、傾向がよく分かる。土鍋は安くて軽め、ただしIHは不可。鉄鍋はやや高くて重め、そのかわりIHでも使える。
土鍋と鉄鍋、炊き上がりと手入れの違い
炊き上がりの好みで選ぶなら、こう考えるといい。ふっくら、もっちりした甘いごはんが好きなら土鍋。粒が立った、しゃっきりしたごはんが好きなら鉄鍋だ。
手入れの面では、どちらにもクセがある。土鍋は割れやすく、急な温度変化が苦手。かまどさんは食洗機も使えない。鉄鍋は丈夫だが、及源のような鉄の地肌に近いタイプは油慣らしが必要になる。手入れをラクにしたいなら、内面ホーローの岩鋳か、食洗機OKのストウブが有力候補である。
タイプ別のおすすめ
迷ったら、以下を参考にしてほしい。
- 初めての土鍋で、コスパを重視したい人:かもしか道具店「ごはんの鍋」。1万円台前半で軽く、レンジでの温め直しもできる。
- とにかく失敗せず、おいしく炊きたい人:長谷園「かまどさん」。火加減いらずの王道である。
- 炊き上がりを目と耳で確かめたい人:HARIO「フタがガラスのご飯釜」。
- IHの家で、鉄釜ごはんを楽しみたい人:及源「南部ごはん釜」。熱源を選ばず、価格も鉄鍋で最安だ。
- サビや手入れが心配な人:岩鋳「ごはん鍋」。内面ホーローで扱いやすい。
- ごはんも煮込みも1台でこなしたい人:ストウブ「ラ・ココット de GOHAN」。
まとめ:鍋で炊くごはんで、毎日の食卓をもっとおいしく


最後に、本記事のポイントをおさらいしよう。
- 土鍋は「じっくり蓄熱」でふっくら。鉄鍋は「一気に加熱」で粒立ちよく炊ける。
- 今回の土鍋3つはIH不可。IHの家なら鉄鍋を選ぶ。
- 3合クラスの重さは約2〜4kg。毎日使うなら重さも大事。
- 本物の羽釜を求めるなら、及源「かまどめし」は季節・数量限定なので早めにチェック。
ガスの家で土鍋デビューするなら、かもしか道具店の「ごはんの鍋」かHARIOのご飯釜。とことん味にこだわるなら、長谷園の「かまどさん」。IHの家なら、及源の「南部ごはん釜」がいちばん選びやすい。
炊飯器のボタンひとつも便利だ。それでも、湯気の音を聞きながら自分で炊いたごはんは、格別なのである。新米がいちばんおいしい今こそ、始めどきだ。お気に入りの1台で、炊きたてのごはんを味わってほしい。
ちなみに上の写真はAIで生成した。たくあんを直置きするな!と後で叱っておこう。
あわせて読みたい







