DJI Osmo Pocket3には「ノーマル」「D-logM」「HLG」の3つのモードが準備されている。今回は各モードの違いを撮影したので解説する。
各モードを使いこなせれば一段上の撮影が可能だ。結論から言うと今回色々試した結果,今後はノーマルモードで撮影することにした。
カラーモードの違い
まずは3つのカラーの違いについて説明する。
ノーマルカラー
DJI独自の色付けをしたモード。コントラストが高めで鮮やかな映像となる。アップデートで10bitに対応したので基本的にこのモードで撮影して後日編集も可能。撮って出しには最適。
D-logM
DJIのlog撮影が可能なモードでダイナミックレンジが最も広い。カラーグレーディングが前提となる撮影でそのままだと淡い色となる。明暗のある場所でも白飛び黒つぶれを抑えて撮影ができる。もちろん10bit撮影となる。
カラーグレーディングのテンプレLUTはDJI公式サイトからダウンロードも可能。もちろん自分好みに作成してもOK。
HLG
HLGはHDR規格の1つで要はダイナミックレンジをさらに高めたモードということ。モニターが対応していないと実力を発揮できない。対応モニターであれば明るい所も暗い所も同時に綺麗に写せる。こちらも10bit撮影だ。
私は残念ながらHDRモニターを持っていないのでその実力を確認できない。ただしハイダイナミックレンジの凄さは映像からしっかり伝わる。
撮影モードの比較(昼間)
フルオートで撮影した動画から画面キャプチャしたもの。圧縮しているので画質は落ちている。あくまで色味や明暗のある所の違いを見て欲しい。なお映像の編集はしていない。
ノーマルは鮮やかな映像となっているが木の幹が黒潰れしておりデティールがぼやけている。最も撮影できたのがHLGで木々も潰れず空も白飛びしていない。
D-logMはノーマルとHLGの中間といった印象だ。
見ての通りHLGとD-logMは淡い色味なので映像編集が前提のモードとなる。
画質については全て0で撮影しているんだが,心なしかノーマルだけシャープネス補正が掛かっている気がする。
撮影モードの比較(夜間)
続いて夜間の撮影テスト。ノーマルモードは対岸の暗い場所が完全につぶれているがD-logMはしっかりと建物が分かる。HLGでも建物の存在は確認できるがD-logMほどでは無い。
夜間ではD-logMに軍配が上がるようだ。
ノーマルの色合いは肉眼よりかなりキツく出ているので,映像として少しクドい。SNSに映え写真を載せたい人はノーマルが良いのだろう。
低照度モード
おまけとして低照度モードでの撮影もやってみた。低照度モードではカラー設定は不可能でFHDまたは4Kの30fpsに固定される。その代わりISO上限が16000まで上がる。
カラーはノーマルと同じでダイナミックレンジもノーマル同等だ。違いはより明るく撮れる所で肉眼より明るくなってしまう。
今回の撮影環境だと低照度モードは不要でノーマルで十分だった。おそらく灯りの全くない場所や暗い室内で威力を発揮することだろう。
まとめ
こだわりの繊細な映像を残すためには撮影環境に応じたカラーモードの選択が必須となる。昼間の屋外ならHLG,夜間や室内はD-logM。これが結論。
映像編集が苦にならなければ上記のモードをおすすめする。
ただし冒頭で述べたように私は面倒臭がりなので基本はノーマルモードで撮影する。これでも十分綺麗だから。